【家電Watch】パナ スマホで手軽にホームセキュリティー

2015.8.31 05:00

 ■家庭の防犯、家電目線で開発

 パナソニックは、屋内・屋外の様子をスマートフォンで確認できるホームネットワークシステム「スマ@ホーム システム」を10月15日に発売する。無線LANと接続して使うホームユニットのほか、ホームユニットとDECT(デジタルコードレス電話機の標準規格)準拠方式接続して使う「屋内カメラ」「屋外カメラ」「開閉センサー」「人感センサー」から成るシステムで、1台のホームユニットに複数の機器を接続して使う。

 ◆導入率は3割程度

 防犯意識の高まりや、共働き世帯の増加による子供の見守りへのニーズ、高齢者の増加による親世帯の見守りへのニーズに対応して開発されたシステム。パナソニックによると、ホームセキュリティーシステムへの興味がある家庭は多いが、実際に導入している家庭は約3割程度と低く、設置費用やランニングコストの高さがハードルになっているという。

 スマ@ホームは、“家電目線”で開発された製品のため、初期設定が簡単、月額使用料なし、スマホと連携して手軽に使える点が特徴。具体的には、屋内や屋外に設置したカメラ、あるいはセンサーが人の動きや、音を検知すると、スマホに通知が行き、カメラの動画をスマホで確認できる。屋内・屋外カメラにはマイクが付いているので、双方向でのコミュニケーションも可能となっている。

 実際の使用シーンとしては、外出中の母親のスマホで、子供の帰宅を確認でき、その際、カメラを通じて話すことができる。また、屋内カメラには温度センサーが付いており、室温も併せて確認できるので、遠方に住む両親宅の室内が暑くなりすぎていないか確認、さらに音声で注意を促すことができる。

 各機器は単品販売とパッケージ販売を予定している。単品販売は、「ホームユニット KX-HJB1000-W」「屋外カメラ KX-HJC100-W」「屋内カメラ KX-HJC200-W」「開閉センサー KX-HJS100-W」「人感センサー KX-HJS200-W」の5機種。価格は全てオープンプライス。店頭予想価格は順に1万2000円、1万8000円、1万7000円、4500円、4000円前後(いずれも税抜き)。

 パッケージ販売としては、ホームユニットと屋外カメラがセットになった「屋外カメラキット KX-HJC100K-W」と、ホームユニットと屋内カメラがセットになった「KX-HJC200K-W」の2つを用意。店頭予想価格は順に2万7000円、2万6000円前後(同)。

 いずれの機器も、センサーが検知したとき、あるいは手動での映像録画となり、24時間映像を録画することはできない。カメラの映像はスマホで同時に2画面まで表示でき、動画と音声はホームユニットに保存できる。なお、動画や音声を保存する際は別売りのmicroSDカード、あるいはmicroSDHCカードを使用する。32ギガバイトのカードを使った場合、最大240時間保存でき、カードをそのままにしておくと、上書きされる。

 ◆カメラ最大4台接続

 ホームユニットと各カメラ・センサーの接続には、デジタルコードレス電話機の標準規格であるDECT準拠方式を採用。電波干渉が少なく、見通し最大100メートルまで電波が届くため、様々な場所に各機器を移動して使える点が特徴だ。

 ホームユニット1台につき、カメラは最大4台まで、センサーは最大50台まで接続可能。また、別売りの「中継アンテナ KX-FKD3」を使えばカメラやセンサーがホームユニットが離れている場合でも電波エリアを拡大できる。希望小売価格は1万2000円(税抜き)。

 パナソニックコンシューマーマーケティングジャパン本部の中島幸男本部長は、スマ@ホームについて「今後、柱となる事業の一つ」と位置付ける。

 ◆来春にアップデート

 「パナソニックでは、現在ネットワークカメラで約400億円を売り上げるがいずれもBtoB向けのシステムで、現状、家庭用の製品はない。スマ@ホームは、家電を原点として開発された家庭用の製品。売り上げとしては、今年度で約5億円、2018年には70億~100億円を目指す。また、今回のシステムは海外で既に導入している地域もある。日本も含めたグローバルでは18年度400億円弱を狙っている」と、具体的な数字を挙げた。

 また今後の展開についてパナソニックシステムネットワークス・コミュニケーションプロダクツ事業部の南恭博事業部長は「今後、いろいろな機器をつなげていく。今回発売する人感センサーについては、16年春に無料のアップデートを予定しており、時間や曜日の指定をできるようにするつもりだ」と話した。

 今回採用したDECT準拠方式については「安定性が高く、すぐに使い始められる点が魅力」としながらも、「通信方式をDECT準拠方式だけに限定するつもりはない。ケースバイケースで、Wi-Fi(ワイファイ)などともうまく組み合わせていく」とした。

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