「お金で勝てるゲームには絶対したくない」Ingress川島氏

2015.11.22 07:05

 位置情報を使うスマートフォンゲーム「Ingress」を運営するナイアンティックは、ゲーム内で使う有料アイテムを購入するストア機能を実装した。

 購入できるアイテムはキーロッカー、ポータルフラッカー、ビーコンの3種類。キーロッカーは所持数の限界(2000個)を超えてアイテム「ポータルキー」を保管できる倉庫。ポータルフラッカーは一時的に入手できるアイテムの数を増やす効果がある。ビーコンは仮想マップ上にアイコンを表示させる。

 ナイアンティックの川島優志氏は「長く続けていくために収入の道を探っていく。広告が出てくる、お金を払ったら勝てるというゲームには絶対したくない」と話す。

 「ゲームバランスを崩さない形で追加できるアイテムの着想が固まったので実装に踏み切った。キーロッカーは(プレーヤーが訪れた土地に由来する)ポータルキーを思い出のためにとっておきたいというリクエストに応えたもので、以前から要望があった。ポータルフラッカーは友達と1カ所に集まって遊ぶ『フラッシュファーム』をするときに、通常よりアイテムが多く取得できるミニゲーム『グリフハック』に没頭してプレーヤー同士の会話が妨げられるのを防ぐ狙いがある」

 ビーコンはゲーム性に直接関係しないようだ。アプリ内課金についてはユーザーの賛否が分かれているが「ゲームに新しい楽しさを与えるものであり、買ったからと言って強くなるわけではない」と念を押した。

 

 任天堂などと協力して開発する「ポケモンGO」のように「Ingressをプラットフォームとして様々なデベロッパーがアプリを開発する」(川島氏)ことも想定しているという。プレーヤーが外に出て何かを発見するという本来のコンセプトを崩さずビジネス化を図る上で、Ingressの課金モデルは重要な事例だと言えそうだ。

 今後はアプリ内課金を含め様々な形式でビジネス化を進めていく。12月に沖縄で開催される大規模イベント「Abaddon(アバドン)」ではアフターパーティーに優先的に入場できる権利、仮想アイテム、限定グッズをセットにした1200円~1万2000円の「サポーターキット」をインターネットで販売している。ゲームイベント自体はこれまで通り無料。

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