東芝に73億円課徴金 IHI上回る過去最高額、監視委が勧告

2015.12.7 15:38

 東芝の利益水増し問題で、証券取引等監視委員会は7日、有価証券報告書に虚偽記載があったとして、金融商品取引法に基づき、東芝に73億7350万円の課徴金納付を命じるよう金融庁に勧告した。課徴金額は平成20年に造船重機大手のIHIに命じた約16億円を大幅に上回り、過去最高となった。監視委は今後、田中久雄前社長ら歴代3社長の刑事告発が可能かどうかの調査を本格化させる。

 東芝は9月、21~26年の決算を計2248億円修正しており、監視委はこうした巨額の決算修正が投資家の判断に影響を与えたと判断した。また東芝がこの5年間に発行した3千億円を超える社債に関する届け出も対象となり、課徴金額が大きくなる要因になった。

 東芝は9月の決算訂正で課徴金額を独自に84億円と試算し、支払いに備えた引当金を27年3月期決算で計上していた。

 利益水増し問題は、監視委が今年2月、東芝関係者の内部通報を受けて東芝を検査し発覚。同社が設けた第三者委員会が7月、1518億円の過大計上を指摘する報告書を公表した。東芝は9月7日、過去7年分を訂正した有価証券報告書を提出した。

閉じる