「コカ・コーラ」テコ入れ、世界共通ブランド戦略 「必ず成長につなげる」

2016.1.20 18:36

 日本コカ・コーラは20日、世界共通の新ブランド戦略を展開すると発表した。200以上の国・地域で「コカ・コーラ ゼロ」、「コカ・コーラ ライト」などコカ・コーラブランドを一括して訴求する「ワンブランド戦略」を打ち出すのが柱で、グローバルベースのマーケティングキャンペーンを展開するのは7年ぶり。同日、東京都内で会見したティム・ブレット社長は「今回のキャンペーンを展開することで、必ず成長につなげる」と意欲を示した。

 新ブランド戦略では世界共通のテレビコマーシャルを放映するほか、コカ・コーラボトルのパッケージも刷新する予定だ。また、販促キャンペーンの一環として、コカ・コーラグループのグループマネージャー、助川公太氏は「スーパーマーケットや携帯電話販売店などで年間100万~200万本のサンプルを配布する」との方針を明らかにした。

 コカ・コーラが新たなブランド戦略を展開する背景には、消費者の炭酸飲料離れが進んでいることがある。

 健康志向の強まりで甘みを感じる炭酸飲料の売れ行きは世界的に減少しており、日本国内でもこの傾向は顕著になっている。飲料総研によると、国内の炭酸飲料市場は2013(平成25)年の2億8000万箱をピークに、26年は2億7850万箱、27年が2億7700万箱と減少が続いている。

 「炭酸飲料は不健康飲料の代名詞となっており、今後も減少傾向が避けられない」(飲料総研の宮下和浩取締役)と冷ややかな声も少なくない。日本コカ・コーラは「ブランドへの好意度は低くないが、コカ・コーラの購買から遠ざかっていたというユーザーが多い」と分析しており、新ブランド戦略の推進でコカ・コーラのテコ入れを図る。

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