【インタビュー】明治安田生命保険 攻めの経営へ執行役員制度を導入

2016.3.22 05:00

 □明治安田生命保険執行役企画部長・永島英器さん(53)

 --4月から組織改正を行う。狙いは

 「2017年4月に中期経営計画が始まる。今回の組織改正は、攻めの経営へのフェーズチェンジに向けた橋渡しの1年と位置付けている。(保険金不払い問題で)金融庁から業務停止命令の処分を受けて昨年12月で10年の節目を迎えた。昔の過ちを風化させないようにしつつ、ガバナンスを高度化させる。業務執行の決定および業務執行を担う役員と、個別業務の執行を担う役員について責任範囲を明確化するため、執行役員制度を導入する」

 --イノベーション創出に向けた取り組みも加速する

 「金融とITの融合であるフィンテックの研究や新規マーケットを調査・研究する『イノベーション推進準備室』を新設する。情報システム部、営業企画部などでは、それぞれ先端分野の研究をしてきた。ただ、本格的な研究は部門単位では限界があり難しかった。まずは真贋(しんがん)を見極めたい。引き受け、保全、アフターフォロー、サービスのコアな部分で何ができるかを念頭に入れていく」

 --業務部に「法人リレーション推進担当」を作る

 「当社の法人営業は定評があり、保有契約高は業界トップだ。ただ、法人、個人とも部門意識が強く、横の連携がなかった。法人営業の担当者が、団体保険、年金、融資の話ばかりでなく、個人営業の担当者も取引先の会社に入れてもらうよう頼むなど、法人と個人の連携を強めるのが狙いだ」

 --事業環境をどうみている

 「マイナス金利の導入もあり、貯蓄性商品の販売が頭打ちになる。ただ、100万円預かって101万円を顧客に返すビジネスは別の金融機関でもできる。死亡時や病気の際にどれだけ保障できるかの原点に立ち返る。保障性商品をしっかり売るためのチャンスと前向きに捉える」

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【プロフィル】永島英器

 ながしま・ひでき 東大法卒。1986年4月明治生命保険(現明治安田生命保険)入社。静岡支社長を経て、2013年4月から現職。4月からは執行役員人事部長。東京都出身

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