ヤフーが「ロボット投信」販売検討 AI活用、今後の事業の柱に

2016.4.5 06:29

 ヤフーが人工知能(AI)で株式運用を行う投資信託商品の販売を検討していることが4日、分かった。株価情報サービスなど各種サイトの検索結果を活用する。既に株式運用の実験を行っており、実績が出ていることから、金融庁の審査などを経て「早いタイミングで出したい」(宮坂学社長)と商品化を調整している。今年4月にヤフージャパン開設20周年を迎えたヤフー。他社にない強みとして各種サイトの豊富な検索結果を基にしたAIの活用を今後の事業の柱に位置付ける方針だ。

 昨年11月に買収した投資運用助言会社で、ヤフーの利用者のさまざまな行動データを使ったAIによる株式運用を実験したところ、東証株価指数(TOPIX)を上回る結果が最近1カ月間、出ているという。

 宮坂社長は「これまでは株式の運用は主に人間がしていたが、手数料も高いし不正の可能性もある。人工知能であれば非常にローコストだ」と述べ、「ロボット投信」の販売を検討していることを明らかにした。

 検索結果の活用は、すでに広告配信の最適化などでは実施しているが、宮坂社長は「これまでためていたデータを使えるようになってきた。楽しみな領域だ」と述べ、投信販売などほかの領域へのデータやAIの活用に意欲を示した。

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