【スズキ不適切試験会見・詳報(5完)】「燃費データに問題なし。16車種とも販売続けます」と自信の鈴木会長

2016.5.18 20:20

 《質問は焦点の経営責任へと移る》

 --経営陣の進退についてどう考えているか。また今後、問題のある16車種の販売はどうするか

 鈴木修会長 「燃費については再確認しまして、カタログ値の発表とまず間違いないということですので、お客さまにご迷惑をおかけするということはございません。私どもとしては販売は続けさせていただきます」

 「経営の責任については、一般的にはまず改善が第一。それをやった上での考え方をどうするかということ。現時点ではコメントを差し控えさせていただく」

 --そのあとの進退は

 「近い将来とか遠い将来ということになるので、前提条件をいれてのことについてはコメントいたしません」

 「間違った測定方法をとってしまったことについては、適法な『惰行法』によって数値を集めたところ、ほとんど間違いはなかったので販売を続けさせていただく」

 --販売への影響をどうみるか

 「燃費のことが問題だが、(実測値と)一致したということで、自信をもって販売いただくということでいいと思う」

 《鈴木会長は長い眉毛をしばたたかせ、普段と変わらない淡々とした口調で質問に答える。独特の口調に、自動車業界の担当記者から笑い声が上がる場面もあった》

 --不正が始まったという2010年ごろは、各社の軽自動車の燃費競争が激しくなったころ。それが背景にあったのか

 俊宏社長「燃費に限らず、いろんなサービスもみなさん競争されている。どう立ち向かうかが技術。『負けてはいけない』という言い方をすると、プレッシャーがあったと思われるが、そういうことはない。徒手空拳で競争に向かおうとしたわけではない。軽量化とか『Sエネチャージ』とか、エンジンを改良するとか。タイヤメーカーも、転がり性能のよい、低燃費に貢献するタイヤを作ってくれている」

 「競争にチャレンジしようとしてきた。競争は常にある。それにどう立ち向かうかが重要と考える。燃費について、お客さんを欺いているという話もあるが、私どもはお客さまからだけではなく、販売店からも高い評価を受けている。一定のビッグデータとして、よい評価をいただいている。技術者はこれを励みにしながらやっている」

 《会見開始から1時間が過ぎた。この後には、三菱自動車の不正問題と相川哲郎社長の辞任に関する記者会見も控えている。幹事社が質問を打ち切った》

 《スズキの鈴木会長ら4人は、改めて深々と頭を下げ、カメラのフラッシュを浴びながら会見室を出た》

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