バンダイ“オトナ女子”市場開拓 大人にウケるキャラクター商品

2016.7.5 06:31

 玩具メーカーのバンダイは、20~30代の女性向けの事業を強化する。その一環として“オトナ女子”と呼ばれる世代の女性を対象とするアンテナショップを東京駅八重洲地下中央口側の地下街にオープンした。人気キャラクターをあしらったコスメ、ファッション、雑貨を中心とした商品を扱っている。今後、来店客の要望を掘り起こして商品開発につなげ、市場を開拓していく考えだ。

 新たにオープンしたのは「オトナ女子美日和(びより)」。東京駅一番街地下1階の東京キャラクターストリートに出店した。ピンクと水色を基調にした清潔感ある約30平方メートルの店舗には、コスメ、ファッション、雑貨など約200点をそろえ、うち約120点は店舗限定のオリジナル商品とした。

 「美少女戦士セーラームーン」や「あらいぐまラスカル」「ベルサイユのばら」など大人の女性に人気の高いキャラクターやアニメ作品の関連グッズを取り扱っている。

 リップクリーム、ハンドクリームなどは、肌に優しい無添加無香料にこだわったオリジナル商品で、美容に関心の高い女性の好みに対応している。ほかにトートバッグ、ミラーなどが並ぶ。中心価格帯は1500~2000円。白いワンピースのコスメショップ風ユニホームを着た店員が接客をする。

 同社では2007年に、ベルサイユのばらの登場人物のような目元にするためのリキッドアイライナーを発売したところ、化粧品の口コミサイト「アットコスメ」で好評価を得て殿堂入りを果たした。13年にはセーラームーンのコスメを販売し、20~30代の女性を中心に5万個を売る大ヒットとなり「オトナ女子」市場に注目。翌年には、同市場をターゲットに自社商品の情報サイト「オトナ女子美日和」を立ち上げたところ、「どこで売っているのか」という問い合わせが多く寄せられたことから、アンテナショップを出店することにした。

 東京駅に隣接した地下街を選んだのは周辺に勤めるOLや観光客、訪日外国人の利用が期待できるからだ。

 同社では、オトナ女子関連商品の売上高が、15年には前年比50%増と急成長した。また矢野経済研究所によると、キャラクターの商品化権市場は1兆1590億円に達しており、50%近くを占める玩具に比べ、化粧品類はまだ2%に過ぎないものの、大人向け商品が増え、市場も拡大している。

 バンダイの杉崎晋哉執行役員は「かつてキャラクター商品は子供のものという感覚だったが、今は幅広い年齢層に取り入れられている。とくに購買力のある20~30代の女性市場は伸びしろが大きい」と期待している。(佐竹一秀)

【会社概要】バンダイ

 ▽本社=東京都台東区駒形1-4-8

 ▽設立=1950年7月

 ▽資本金=100億円

 ▽従業員=1230人(2016年4月末時点)

 ▽売上高=1523億6100万円(16年3月期)

 ▽事業内容=玩具、生活用品、文房具などの製造販売

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