キリンHD、アサヒとの物流提携の拡大検討 コカ・コーラとの連携にも意義強調

2016.12.21 06:11

 キリンホールディングス(HD)の磯崎功典社長は20日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、「物流や環境など非競争分野では他社との協調を進める」と述べ、傘下のキリンビールが締結したアサヒビールとの物流提携を拡大する方向で検討していることを明らかにした。両社の関西にあるビール工場から来年1月、鉄道などを使って北陸に共同輸送する計画だが、地域を拡大して物流費や二酸化炭素(CO2)排出量の削減につなげる。

 共同輸送を拡大する地域は、両社の工場がある地域を軸に検討する。時期など詳細は今後詰める。

 一方、日本コカ・コーラグループと協議中の清涼飲料事業での資本・業務提携に関しては、「日本の飲料市場は過当競争だ。再生産できる事業にするためには(他社との)協調も必要だ」と提携の意義を強調。両社は物流や調達などで連携する方針だが、株式を持ち合う比率や時期については「協議中だ」と述べるにとどめた。

 また、2017年度の税制改正でビール類の酒税一本化が決まったことに関しては、「ビールが減税されるのは評価できる」と語った。その上で小規模な設備で製造するクラフトビールなどを強化していく考えを示した。

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