東芝、6月にも半導体3次入札検討 きょう2次締め切り、売却額の上積み狙う

2017.5.19 06:15

 経営再建中の東芝が売却手続きを進めている半導体子会社「東芝メモリ」(東京)をめぐり、来月にも3回目の入札の実施を検討していることが18日、分かった。今月19日を締め切り日に設定する2回目の入札で2陣営程度を選び、さらに競わせて売却額の上積みを目指す狙いとみられる。

 現在は1回目の入札を通過した4、5陣営が残っている。2回目の入札は、各陣営の状況によっては19日以降も受け付けを続ける可能性もある。

 東芝メモリはスマートフォンの記憶媒体「フラッシュメモリー」の販売で世界2位の市場占有率を持つ。国際競争力があるため、政府主導で「日米連合」による買収構想が浮上している。産業革新機構や日本政策投資銀行、米ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が中心となる案が有力だ。富士通などの企業にも出資を呼び掛けている。

 ただ、三重県四日市市の半導体工場に共同投資する米ウエスタン・デジタル(WD)が第三者への売却に反対しており、解決のめどは立っていない。

 WDが日米連合に参加するとの観測もあるが、出資割合などで合意できていないようだ。入札手続きが想定通り進むかは見通せていない。

 入札では、シャープを傘下に持つ台湾の鴻海精密工業や、半導体大手の米ブロードコム、韓国SKハイニックスも候補に残っている。

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