【トップは語る】大阪ソーダ ヘルスケアを強化、M&Aも活用

2017.7.19 05:00

 □大阪ソーダ社長・寺田健志さん(51)

 --新社長としての抱負は

 「これまでの改革で強化してきた経営基盤を最大限活用することで、経常利益100億円の早期達成(2017年3月期は65億円)と永続的な成長を目指す。スピード感を持って変化に対応し、新たな提案が積極的に出てくるような挑戦的な企業風土をつくっていきたい」

 --今期注力する事業や製品は

 「機能化学品事業を中心に伸ばしていく。高い耐熱性を持つアクリルゴムを市場投入し、4月から自動車向けを中心に販売を開始した。合成樹脂ではUV(紫外線)硬化型インキ用の『ジアリルフタレート(DAP)樹脂』の拡販に注力する」

 --ヘルスケア事業も強化している

 「基礎化学品、機能化学品につぐ第3の収益の柱にすべく経営資源を積極的に投入している。医薬品精製材料では来年3月、成分を抽出する『分取』や分析用のシリカゲルの増産工事が完了する。また、抗体医薬品の精製材料『アフィニティーゲル』を開発し、今年度中に市場に投入する。医薬品原薬・中間体は今年度後半に高薬理活性設備の導入を始めるなど、事業領域を広げていく」

 --海外事業はどう拡大する

 「合成樹脂や合成ゴムなど機能化学品で成長の余地があり、今後海外に合成ゴムのコンパウンド(複合材料)や機能化学品の生産拠点を設けることも検討する」

 --戦略投資も活発化している

 「今年10月、兵庫県尼崎市にある研究センター内に新棟を設け、研究開発機能を大幅に充実させる。新製品は、自動車やエネルギー・環境分野など当社が得意とする産業、技術分野に特化し事業化を推進する。また、M&A(企業の合併・買収)もヘルスケア事業を中心に積極的に活用し業容を拡大する」

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【プロフィル】寺田健志

 てらだ・けんし 京大工卒。1988年大阪曹達(現大阪ソーダ)入社。2014年取締役上席執行役員、取締役常務執行役員を経て17年6月29日から現職。大阪府出身。

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