大手銀が相次ぎ交流拠点 フィンテック強化へ新興ITと連携必須

2017.9.5 06:04

 先進的な金融サービス「フィンテック」への取り組みを強化するために、大手銀行が次々と、IT関連のベンチャー企業との連携拠点を設けている。先端技術の開発には銀行外の人材との連携が不可欠なためで、「顔の見える交流」(大手行)を期待している。

 三井住友フィナンシャルグループは1日、ベンチャー企業が多い東京・渋谷に、約190平方メートルのオフィスを開設した。イベントを開いたり、IT企業などの打ち合わせに使ってもらったりして関係を深めるのが狙い。常駐する三井住友の従業員が希望に応じて担当部署につなぎ、窓口の役割を担う。

 太田純副社長は「いろいろなアイデアを持っている人と、私たちの持つ資源を結びつけ、これまでにないサービスを顧客に提供したい」と意気込む。

 みずほフィナンシャルグループは2月、東京・大手町に技術者数人が常駐する研究施設を開設した。フィンテック企業39社が入る拠点内にあり、「新サービスのアイデアを日常的に他社の担当者と話し合い、簡単な実証実験もする」(広報担当者)。

 三菱UFJフィナンシャル・グループは、支援するIT企業に対し、東京・日本橋の事務所を開放。三菱UFJグループの社員や外部専門家が事業開発の助言などに当たっている。

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