2017.9.29 05:00
昨年アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)に政権交代したミャンマーの情勢は、目まぐるしく変貌している。ビジネスを進める上で不可欠な日本語、英語、ミャンマー語の情報誌を現地で発行しているMYANMAR JAPON(ミャンマージャポン)は、合計発行部数4万部を超えるビジネス・生活情報誌としてナンバーワンメディアとなっている。永杉豊社長は「メディアミックスを駆使して、日本をアピールしていく」方針だ。
--どのように事業を展開しているのか
「2013年にミャンマー初となる月刊日本語ビジネス情報誌を発行した。以降、英語版、ミャンマー語版と順次増やしてきた。今年3月には日本語生活情報誌も発刊している。昨年12月には、家電や生活用品など日本ブランドの認知度を向上させるため、最大都市ヤンゴン中心部に、ショールーム『ザ・ジャパン・ブランド』を開設。テレビでは5分間の番組を毎週6本放映し、日本製品のほか日本のビジネスマナーなどを紹介している。他にフェイスブックなどを活用して、ミャンマーの消費者に日本を訴求している」
--独自の強みは
「与党NLDの最高顧問であるティン・ウー氏のほかミャンマー政府閣僚や、日本大使、ミャンマーを来訪した日本政府関係者とも誌面で対談している。このため信用とネットワークを築くことができ、進出企業へのビジネスマッチング事業も急成長している」
--市場の成長性は
「経済成長に伴って中間所得層が激増し、消費意欲が高まっている。人口も5000万人超で国民の平均年齢は27.9歳と若く、消費人口はさらに増加が見込まれる。このため卸・小売業や消費関連のイベント・広告業、外国企業の流入による人材紹介業、不動産仲介業の市場は拡大の一途だ。まさに明治維新のような時期であり、競争のない未開拓市場であるブルーオーシャンといっても過言ではないだろう」
--これからの成長戦略は
「ミャンマー人の中間管理職人材を育成して事業を成長させる。隣国タイからの投資を加速させることを目的に、10月にはタイ・バンコクでも情報誌を発行する。また日本の製品、サービス、コンテンツを根付かせるため、18年度内に日系企業200社を集めた展示会をヤンゴンで開く。19年度には日本ブランドのネット通販も立ち上げる。20年度にはヤンゴンで自社ビルを建設し、日本を丸ごと紹介するショールームと店舗を開店させる計画だ」
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【プロフィル】永杉豊
ながすぎ・ゆたか 学生時代にジーンズカジュアルショップを起業。1991年米ロサンゼルスで衣料品輸出、ファッションメディア関連事業を手掛ける会社を、その後中国・上海でIT企業を立ち上げた。2013年5月MYANMAR JAPONを設立し、現職。57歳。神奈川県出身。
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【会社概要】MYANMAR JAPON
▽本社=ミャンマー・ヤンゴン
▽設立=2013年5月
▽資本金=5万米ドル
▽従業員=35人
▽事業内容=情報誌の発行、広告、人材紹介、不動産仲介、進出支援