車大手、アルミの安全確認 神鋼データ改竄 鉄や銅は調査継続

2017.10.19 14:03

 トヨタ自動車と日産自動車、ホンダ、マツダは19日、神戸製鋼所が性能データを改ざんしたアルミ板について生産した車の安全性に影響はないことを確認したと発表した。ただ鉄や銅製品は調査を続けているものもある。不正があった製品は多岐にわたり、最終的な「安全宣言」には時間がかかりそうだ。

 トヨタによると、対象のアルミ板を一部車種のボンネットと荷室のドアに使っていた。神戸製鋼が保有する過去3年間のアルミ板のデータを用い、トヨタが既に出荷した車の耐久性などを計算した結果、安全性の基準に達していない車はなかったという。車種や出荷台数は明らかにしていない。

 ただトヨタは「対象が多岐にわたるため、全容の判明には至っていない」と説明しており、神戸製鋼の銅管や鋼線といった製品の確認作業を続ける。

 自動車各社が生産した車で、データが改ざんされた製品はボンネットやドアだけでなく、ボルトやナットなどの部品にも使われている。下請け企業から仕入れた部品に神戸製鋼製の素材が使われている例も多く、調査は難航している。

 日産は、神戸製鋼から直接納入した鋼線や特殊鋼に規格外製品が含まれていないことを確認した。取引先経由で納入した部材は調査を続けるという。

 神戸製鋼は、自動車メーカーなどの取引先に改ざん前のデータを提供し、安全性の確認作業を進めている。今月末には一定の区切りを付け、自動車などの輸送用機器を中心に安全性に関する調査結果を公表する方針だ。

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