トヨタ、自動運転でウーバーと提携 5億ドル出資、ライドシェアに専用車両導入へ

2018.8.29 05:59

 トヨタ自動車は28日、米配車大手のウーバー・テクノロジーズと自動運転技術で提携すると発表した。トヨタはウーバーに5億ドル(約550億円)を出資するとともに、利用者が車に相乗りするライドシェアサービスに自動運転車を導入する。将来の有力なサービス基盤を早期に確立する狙いとみられる。

 トヨタのミニバン「シエナ」に、自動運転技術を搭載した専用車両を開発し、2021年に、ウーバーのライドシェアに導入するという。トヨタの友山茂樹副社長は、「両社の技術を連携させたライドシェアは、安全で安心な自動運転モビリティサービスの実現へ向けた一つの道筋になると考えている」とのコメントを発表した。

 自動運転分野では、米IT大手グーグル系のウェイモや米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)などが実用化を急いでいる。ウーバーは積極的に車両開発を進めてきたが、3月に米アリゾナ州の公道上で死亡事故を起こし、安全性確保に不安を抱えていた。

 両社は、量産型の自動運転車の運営や、「第3者を含む運営会社」設立も検討するとしている。ウーバーを中心に世界的に普及が進んだライドシェアは、将来的に自動運転と融合する可能性が指摘されている。トヨタにとってウーバーとの協業は、「モビリティサービスを提供する会社に生まれ変わる」(豊田章男社長)という戦略の柱になる可能性が高い。

 トヨタは16年にウーバーとライドシェア分野で提携し、同社にトヨタ系ファンドが出資した。日本のソフトバンクグループは1月、77億ドルでウーバーの約15%の株式を取得し、筆頭株主となっている。

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