中国で人気も危険な「つまようじボウガン」「電流玩具」…おもちゃの安全基準に不満噴出

 
中国の子供たちの間で人気を集めた手のひらサイズの「つまようじボウガン」。「危険だ」との指摘が相次いだ=6月、中国・江蘇省揚州市(AP)

 中国で販売されている子供向けのおもちゃが「危険だ」と問題視されるケースが相次いでいる。メディアが取り上げたり、警鐘を鳴らす動画がインターネット上に公開されたりして話題になり、一部商品については当局が規制に乗り出している。これらのおもちゃの多くは子供たちの間で人気を集めており、不安を募らせる親たちからは、中国の安全基準を疑問視する声も出ている。

 つまようじが20メートル飛ぶ

 中国メディアなどの報道によると、今年6月に「危険だ」として話題になったのが、つまようじを発射させる弓矢形のおもちゃ。日本語では「つまようじボウガン」「つまようじクロスボウ」などと訳される。プラスチック製、金属製などがあり、弓矢形の本体につまようじをセットし、ボタンを押すなどして発射させる。小学生を中心とした男の子に人気で、当時は街のあちこちで子供たちが飛ばして遊んでいたという。

 本物のボウガン(クロスボウ)と違い、この「つまようじボウガン」は手のひらサイズで、片手だけでも簡単に発射することができる。価格は5~15元(約80~240円)程度と安価なことも人気の理由だった。南西部の四川省成都市から流行が始まったようだが、しばらくして中国全土に広がった。

 ただ、見るからに危険なおもちゃで、間もなく、発射されたつまようじが人の目などに当たれば大けがにつながる、などと指摘されるようになった。子供がふざけて人を狙うこともよくあったという。

 しかも、つまようじが20メートル以上も飛ぶという威力の強いものもあり、約1メートル先に置いたりんごに突き刺さったり、約1メートル先のジュースのアルミ缶に突き刺さりジュースが飛び出したりしたという実験結果もインターネット上で報告された。つまようじの代わりに針を使う商品もあり、つまようじ用のもので針を使って発射させるケースもあったという。

 内モンゴル自治区内で、放たれたつまようじが子供の目に突き刺さり失明した、との情報がインターネットで流れてもいる。

 当局規制、商店から“撤去”

 親たちからの「危険だ」という声が強まり、商店の販売自粛や学校による注意呼びかけなどを経て、当局が規制に乗り出した。つまようじボウガンの販売は原則禁止となり、商店の商品棚に並んでいる状況は、ほとんど見られなくなった。ただ、いったん出回った商品についてはまだ使われており、親たちの不安は消えていないという。

 この「つまようじボウガン騒動」による影響も出ている。中国メディアによると6月29日、北京の繁華街に設置された女優、趙麗穎(チャオ・リーイン)さんが全面に写った広告パネルに、「違法」と大量に落書きされるという事案が起きた。趙さんが主演するドラマをPRするパネルだったが、趙さんがボウガンを持ってこちらを狙うポーズをとっていたことから、つまようじボウガンの危険性を訴えようとしたのではないかとみられている。

 600ボルトの電圧が発生

 一方、7月に入り、つまようじボウガンに代わるように危険として話題になったのが、「電流玩具」というおもちゃだ。中国メディアによると、このおもちゃはガム、チョコレート、ペンなどの形をしていて、触れるとビリッと電気ショックが走る構造。こちらも小学生たちの間で流行している。

 危険性が指摘されているのは、この電気ショックの強さだ。電圧計を使った実験をしたところ、600ボルトの電圧が瞬間的に発生したという。実験に参加した専門家は中国メディアに対し「非常に危険だ。心臓に疾患があれば死に至る可能性もあるほどの強さだ」などと指摘している。

 このおもちゃについても何らかの規制がかかるとみられている。

 このほか、6月には浙江省杭州市で、手裏剣のようなおもちゃが11歳の女児の頭に当たり負傷するという事故が起きた。中国メディアによると、女児は小学校の教室で授業中ではない時間に勉強をしていて事故に遭った。深さ約2センチの傷を追ったが、大事には至らなかった。

 このおもちゃは、世界中で流行している「ハンドスピナー」に刃がついたような構造で、子供たちの間で流行。手で投げて遊ぶことが多いが、ゴムを使った発射機もあるという。

 中国で相次ぐ危険なおもちゃ。子供を持つ親たちからは、規制の強化や安全基準の厳格化を求める声が上がっているという。

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