核戦争を防いだ旧ソ連軍人死去 スタニスラフ・ペトロフ氏、米軍によるミサイル発射警報をシステム誤作動と冷静に判断

 
5月に死去していたスタニスラフ・ペトロフ氏=2015年8月、モスクワ郊外の自宅(AP)

 【モスクワ=黒川信雄】米紙ワシントン・ポストなどは19日までに、1983年に米ソ間で核戦争が勃発する危機を未然に防いだとして知られる旧ソ連軍中佐のスタニスラフ・ペトロフ氏が今年5月、モスクワ郊外の自宅で死去していたと報じた。77歳だった。

 米軍によるミサイル攻撃への警戒が任務だったペトロフ氏は83年9月26日夜、5発のミサイルが発射されたとする警報を受信。しかしミサイルの数が少なかったことなどから、警報がシステムの誤作動によるものと判断して上官に報告しなかった。実際にミサイルは発射されておらず、同氏の判断により米ソは核戦争に突入する危機を免れることができたという。

 ペトロフ氏はその後、当時の詳細な記録を残さなかったことなどから、配置転換されるなど冷遇を受けた。ただ欧米ではその行動が高く評価され、同氏をモデルにしたドキュメンタリー映画がデンマーク人監督により制作され、2014年に公開されている。