電通社長「責任感じる」「心からおわび」 初公判で起訴内容認め謝罪 罰金50万円求刑

 
電通違法残業事件の初公判で、東京簡裁に入る電通の山本敏博社長(左端)ら=22日午前

 新入社員の過労自殺に端を発した大手広告会社の電通(東京)の違法残業事件で、労働基準法違反罪に問われた法人としての同社の初公判が22日、東京簡裁(菊地努裁判官)で開かれた。会社の代表として出廷した山本敏博社長は起訴内容を認め、「社長として責任を感じており、関係者に心からおわび申し上げる」謝罪した。検察側は罰金50万円を求刑した。

 起訴状によると、電通は過労自殺した新入社員の高橋まつりさん=当時(24)=ら社員4人に対し、電通本社の労使協定(三六協定)が定めた月50時間を超え、平成27年10~12月に3時間30分~19時間23分の時間外労働をさせたとしている。

 山本社長は弁護側の被告人質問で「特に高橋まつりさんの件については、責任は極めて重いと感じている。ご本人と遺族に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。改めておわび申し上げる」と述べた。

 東京区検は7月、労働基準法違反罪の両罰規定を適用し、法人としての同社を略式起訴したが、東京簡裁は非公開の書面審理だけで罰金刑を言い渡す略式命令を「不相当」と判断。公開の法廷で審理されることになり、山本社長は「法人の電通が起訴されていることを重く受け止め、その責任は経営者である私にある」として、自ら出廷する方針を明らかにしていた。

 正式裁判が決まり、高橋さんの母、幸美さん(54)は「電通はこれまで繰り返し過労死を発生させているので、そのことを踏まえて、裁判所は適切な判断をしていただきたい」とコメントしていた。