NY名門高校、消えた寄付金の行方

提供:ブルームバーグ

 米ニューヨーク市のストイフェサント高校は、長年にわたり同市から特別指定を受けている名門公立校の一つだ。授業料は無料で、同校への入学は有名大学への近道とされている。ノーベル賞受賞者も4人輩出した。

 だが、他の一流校と同様、同校も寄付金集めに苦労している。もっとも最近の活動は1999年に始まった「キャンペーン・フォー・ストイフェサント(CFS)」と呼ばれるもので、1200万ドル(約13億円)の目標に対し、集まったのは450万ドルだった。

 現在、この寄付金の残額は約33万ドルに減っており、卒業生らは消えた寄付金が何に使われたのかを知りたいと考えている。答えを得るには納税記録が役に立つ。5月24日、卒業生のニール・ウィルソン氏はCFSに関する税務申告書へのリンクをフェイスブックに投稿し、過去10年で「壺の中身がどのように減ったか」を明らかにした。

 「CFSでは、学生のために使われるはずだった資金が経費と給与のため減少している」と同氏は指摘。この投稿には仲間の卒業生から立腹したものを中心に50件のコメントが寄せられた。

 CFSのニール・ハーウィッツ事務局長は、6万ドルに上る自身の年俸やホームオフィスの賃貸料、チャリティーイベントのための旅費などは必要経費だと反論する。2008年の金融危機による悪影響もあった。同氏は電話取材に対し「私たちは善人だと思う」と述べている。

 キャンペーンがうまくいかなかった理由の一つは、寄付金を募る団体が他にも2つあることだ。同校のエリック・コントレーラス校長は、団体同士の競い合いはストイフェサント高校の生徒に見られる独立心が発展したものだといい、その欠点として「寄付金集めには障害となる」ことを挙げた。

 3団体は現在、同窓会の下に資産を集約すべく最終調整を行っている。支持者の中には寄付をしてくれそうな人に同窓会ではなく父母会など別の団体に資金を回すよう呼びかける人もいるが、ヘッジファンド、スタンダード・ジェネラルの共同設立者でもある同窓会のスー・キム会長は、統合はうまくいっていると話す。

 新たに選出された理事会には他にも金融業界出身者が加わっており、93年卒のキム氏は自身の任務を財政難に陥った会社を立て直すようなものだと考えている。

 統合が全て完了しても、奨学金などに使える資金はせいぜい300万ドル足らずという状況からのスタート。「転換期だ」とキム氏は言う。金融業界ではそれは、チャンスという意味でもある。(ブルームバーグ Vernon Silver)

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