野外ヨガが都会人癒やす “異空間”神宮球場に1千人

 
「神宮スタジアムナイトヨガ」。手前は講師の高田有紗さん=東京都新宿区の神宮球場

 公園などの野外スペースに集まりヨガを楽しむ人々が、都市部を中心に増えている。東京六大学野球などで知られる神宮球場(東京都新宿区)では、無料のイベントが月数回、平日の夜に開催され、参加者が1千人を超えたことも。せわしない都会の日常を離れた“異空間”で人々が癒やされている。

 「呼吸を整え、心と体の力みを手放しましょう」。金曜午後7時半の神宮球場。グラウンドに流れる穏やかな講師の声に導かれ、外野を埋めた人の波がうねるように動く。参加者の技量は不問で、服装も本格的なヨガウエアから短パン、Tシャツまでさまざま。「癒やし系」のBGMに時折、波の音が混じる。

 二塁ベース近くのステージには、モデルとしても活躍する講師の高田有紗さん(24)。長い手足をゆったりと動かし「スタンドで外部と遮断されていて、まさに都会の隠れ家。遠くの人々とも不思議な一体感がある」と話す。

 イベントの目玉は、照明を落とし、BGMも消してあおむけになる「シャバ・アーサナ」。大地に身を委ね、夜空を見上げる究極のリラックスタイムだ。職場の同僚と来たという30代女性は「宇宙とつながってる感じ。すごい」と興奮していた。

 「神宮スタジアムナイトヨガ」と題するイベントは、神宮外苑の象徴だった旧国立競技場の取り壊しに伴う街の停滞感を打破しようと、スポーツマネジメント会社が昨年から開催。今年は5~9月に計10回を開き、日本のヨガ界を代表するケン・ハラクマさんら実力派が講師を務めた。

 費用は企業の協賛金などで賄い、予約も不要とあって初回から約700人、6月12日の3回目には1300人が参加。30~50代の仕事帰りの女性が多いが、男性やシニアの姿も。会員制交流サイト(SNS)に投稿する写真の撮影タイムがあるのも好評だった。

 各地の野外ヨガイベントを告知しているウェブサイト「PARK YOGA」によると、新宿御苑など都内の公園のほか、横浜市の山下公園や大阪市の中之島公園、神戸市のアジュール舞子、福岡市の大濠公園などのイベント概要を掲載。都会の片隅の広場や水辺で人々が自然とつながり、疲れのたまった心と体をリセットしている。