太田氏はこれまでに500頭あまりの犬、イルカや猫、カエルなどさまざまな動物でこの実験を実施。その異常行動は別表の通りで、「犬は30頭に1頭の割合で電磁波への明確な反応がみられました。イルカの場合はより反応が顕著です。地震発生前にクジラなどが岸に上がったりするのも電磁波の影響で、方向感覚を失ったためである可能性が高い。これまでの実験結果や事例などからも、電磁波の与える影響は否定しきれません」(同)。
動物の前兆行動について、唱えたのは太田氏が初めててではない。
弘海原(わだつみ)清・大阪市立大名誉教授(地質学)や、池谷元伺・大阪大名誉教授(電子工学)=いずれも故人=もそれぞれの立場から、電磁波による動物の前兆行動を研究。
弘海原氏が理事長を務め、地震の前兆についての情報を収集する特定非営利活動法人「e-PISCO」には、阪神大震災の直後から1711件の証言が寄せられ、その多くが動物に関するものだった。
「直下型地震だった阪神淡路大震災では1メートル当たり70ボルトもの強烈な電磁波が発生しました。そのため、ストレス反応によって多くの動物に前兆行動がみられた。犬では、遠吠えしたり激しく鳴いたり。前掻きして盛んに穴を掘る仕草をする例もあったようです。猫はいつもいる場所からいなくなる傾向が強かったといいます」(太田氏)