各地で相次ぐ食材偽装問題で、消費者庁が阪急阪神ホテルズ(大阪市)など3社に対し、年内に処分を決める方針を固めたことが22日、同庁への取材で分かった。早ければ12月中旬にも再発防止などを求める措置命令を出すとみられる。
処分が決まるのは阪急阪神ホテルズのほか、「ザ・リッツ・カールトン大阪」(大阪市)を経営する阪神ホテルシステムズと、「奈良万葉若草の宿三笠」(奈良市)などを経営する近畿日本鉄道の見通し。
同庁は阪急阪神ホテルズなどのメニューについて、料理を実際よりも著しく優れているように表示し、消費者を誤認させる不当表示(優良誤認)に該当するとみて調査。調査結果をまとめ、ホテル側の弁明を聞いた上で、措置命令など最終的な処分を決めるとみられる。措置命令に従わない場合は、法人に3億円以下の罰金が科せられる。
消費者庁では、10月7日に阪急阪神ホテルズから偽装表示の報告を受け、調査を開始。実際に使われていたメニューを入手し、担当者に聞き取り調査をしていた。
同庁に報告があったほかのホテルや旅館についても事実確認を進めており、11月以降には同ホテルやリッツ大阪を立ち入り検査したほか、奈良万葉若草の宿三笠にも、奈良県とともに立ち入り検査をしていた。
阪急阪神ホテルズでは直営ホテルなどで「芝エビ」と表示しながら、バナメイエビを使っていたことや「九条ねぎ」としながら、青ネギや白ネギを使っていたことなどを公表していた。奈良万葉若草の宿三笠では、メニューに「和牛」と表記しながらアレルギー物質を含む豪州産の成型肉を使用。リッツ大阪は、「フレッシュ」としながら容器入りのジュースを出すなどしていた。