【視点】産経新聞編集委員・宮田一雄 世界が注目した2つのスピーチ (1/2ページ)

2014.3.18 05:00

 ■依然として続く困難な闘い

 第86回アカデミー賞の授賞式が行われた2日(日本時間3日)、最初のオスカーを手にしたのは助演男優賞のジャレッド・レトだった。1980年代後半の米国を舞台に未承認のエイズ治療薬密売組織の経営者を描いた映画「ダラス・バイヤーズクラブ」で、トランスジェンダー(性同一障害)のレイヨン役を演じている。

 主人公ロン・ウッドルーフのビジネスパートナーであり、ロンのホモフォビア(同性愛嫌い)を少しずつ変えていく重要な役どころである。

 ロンもレイヨンもともに、エイズの原因となるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染し、エイズを発症して入院した病院で知り合う。エイズが「不治の病」とされ、有効な治療法がなかった時代の話だ。

 ジャレッド・レトは18キロ、同じく主演男優賞を獲得したロン役のマシュー・マコノヒーは21キロも減量したという。もちろん、役作りのための減量も大変ではあるが、2人に対する評価はそのためだけではなかっただろう。短い受賞のスピーチをレトはこんな言葉で締めくくっている。

 「これはエイズとの闘いで亡くなった3600万人に捧げられた賞です。そして、自分が何者であり、誰を愛しているかという、そのことのために不当な扱いを受けたあなたたちの賞です。世界が注視する中で私はいま、あなたとともに、そしてあなたのために、ここに立っています」

 感動的ですね。授賞式を直接、観ていたわけではないが、スピーチの英文を日本語に訳そうと試みただけで、純情なおじさんの目は涙でうるうるとしてくる。

                     ■

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)の昨年9月の発表によると、世界のHIV陽性者数は推計3530万人に達しており、過去30年余の世界的なエイズの流行の中ではそれを上回る3600万もの人がすでにエイズ関連の原因で死亡している。

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