愛知県刈谷市の小中学校で4月から、子供のスマートフォン(高機能携帯電話)の夜間使用を制限する試みが始まって1カ月がたった。「勉強時間が増えた」「トラブルを防げる」。保護者や子供たちからは、生活改善につながったと歓迎する声が早くも上がっている。刈谷市には各地から問い合わせが相次いでおり、子供の過度なスマホ使用を防ごうという意識が全国的にも広がっているようだ。
ルール違反も
「時間だから切るね」。刈谷市立中学3年の女子生徒(14)は午後9時を過ぎると、スマホの無料通話アプリ「LINE」(ライン)でメッセージのやり取りをしている友達にそう呼びかけて、電源を切る。
ルールが周知された3月、女子生徒は両親と話し合い「4月から9時以降は使わない」と約束した。
女子生徒は以前、寝るまでラインに没頭していたが、「今は予習復習をする時間が増えた」。別の中3の女子生徒(14)も「時間に構わず使うと相手に迷惑をかけるし、トラブルも起きやすい。いいルールだと思う」と語った。
だが、全員がルールを守っているわけではないようだ。「朝起きたら100件以上、メッセージが入っていることもある。メンバーが20人くらいいるグループでやりとりが盛り上がると、すぐに100件、200件になる」と、冒頭の女子生徒は打ち明ける。