【どこまで進む? 再生可能エネルギー】他の発電と補完してバイオマス利用を (1/2ページ)

2014.5.26 05:00

 □産業技術総合研究所 イノベーション推進本部国際部審議役・坂西欣也氏

 国は2010年にバイオマス活用基本計画を決め、20年までに約5000億円の関連新産業の創出などを掲げているが、主に経済性の面からなかなか進んでいないのが現状だ。長年、バイオマスを研究している産業技術総合研究所の坂西欣也氏は「メタン発酵でバイオガス化し、他の再生可能エネルギーと補い合う複合的な地域社会づくりが必要だ」と説く。

 --バイオマス発電は固定価格買い取りも始まった

 「固定価格買い取り制度は追い風だが、バイオマス燃料の国産原料の量の確保や、原料に水分が多いために発電効率が20~30%と低いなどコストが課題だ。軌道に乗せるには、製材やセメント、紙パルプといった関連産業との協調が必要となろう」

 --バイオマスの資源ポテンシャルは

 「農水省によると、未利用資源を全部利用したとして電力利用可能量が年間130億キロワット時と、全発電量の1%程度だ。ドイツでは下水汚泥や家畜糞尿(ふんにょう)などもメタンガス化して熱供給や発電に利用している。日本もバイオマス活用推進計画を策定、資源ごみなどを活用する自治体も出始めている。例えば、高知県ではNPO法人が副業的に林地残材を集荷し、これを有償で引き取りバイオマスに利用するという活動を行っている。こうした持続可能な成功例が増えてほしい。発電だけでなく、バイオマスは再生可能エネルギーの中で唯一の炭化水素資源だから、メタン発酵によって熱利用やガス化、さらには水素原料にもなる。太陽光や風力発電などとバイオマス資源を組み合わせ、多様な再生可能エネルギーを活用する自治体が増えてほしい」

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