電力10社の燃料費1兆7270億円…4~6月期は4社が経常赤字に

2014.7.31 21:35

 電力10社の平成26年4~6月期連結決算が31日、出そろった。修繕の先送りや電気料金の抜本値上げの実施などで、東京、東北、中部、中国、四国の5社が経常黒字に転換したが、関西、九州、北海道、沖縄の4社は経常赤字となった。

 九電は、原子力規制委員会が優先的に審査する川内原発1、2号機(鹿児島県)が事実上の合格証である審査書案を了承され、今秋にも再稼働する見通しだが、通期の損益予想を「未定」とした。

 同社は玄海原発3、4号機(佐賀県)の再稼働に向けた安全審査も申請しており、「川内だけが再稼働しても収益改善には不十分」としている。

 10社合計の燃料費は、約1兆7270億円に上った。円安で、海外に頼る火力発電用の液化天然ガス(LNG)などの輸入コストが上昇し、収益を圧迫した。

 経営改革を進める東電が31日発表した26年4~6月期連結決算は、経常損益が525億円の黒字(前年同期は294億円の赤字)。4年ぶりの経常黒字を達成した。

 しかし、今年7月に想定していた柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働は、原子力規制委員会の審査が遅れて、実現できなかった。審査をクリアしても、新潟県の泉田裕彦知事は再稼働に慎重な姿勢を崩していない。

 広瀬直己社長は「安全対策をきちんと説明するほか、地元の方々には施設も見学もしてもらい、理解を得たい」と述べた。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

毎日25分からのオンライン英会話。スカイプを使った1対1のレッスンが月5980円です。《体験無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。