漫画やアニメグッズの中古販売を行う古物商「まんだらけ」(東京都中野区)が、店舗の商品を万引した犯人とみられる人物に向け、「商品を返しに来なければ顔写真を公開する」との警告を自社のホームページ(HP)に掲載した。万引被害に店側が業を煮やした形だが、法律の専門家は「写真の公開は脅迫罪や名誉毀損罪に当たる恐れがある」と指摘している。
同社によると、4日午後5時ごろ、まんだらけ中野店のショーケースから、横山光輝原作の漫画「鉄人28号」のブリキ製人形が万引された。店頭販売価格は25万円で、同社は警視庁中野署に被害届を出した。
店のカメラには男性が商品を万引する動画が残されており、同社はHPに「盗んだ犯人へ」との警告を掲載。男性の顔をモザイクで消した画像を公開した上で、「1週間(8月12日)以内に返しに来ない場合は顔写真のモザイクを外して公開します」とした。
まんだらけの古川益蔵社長は「商品を返して下さると願っている。期日までに返還なき場合、画像公開、犯人の特定を行う予定だ」とコメントを出した。
ネットのトラブルに詳しい甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)は「刑法の規定では、正当な債権を取り返す場合でも脅迫すれば脅迫罪になる。今回のケースは、現時点で恐喝未遂に当たる」と指摘する。また、写真の公開は万引の事実を公にすることであり、刑法の名誉毀損罪が成立する可能性もあるという。