“近大マグロ”にトヨタ流「カイゼン」 持続可能な完全養殖支える (1/5ページ)

2014.8.16 17:12

円形枠のいけすで育つ近大マグロの幼魚=長崎県五島市

円形枠のいけすで育つ近大マグロの幼魚=長崎県五島市【拡大】

  • 近大マグロの中間育成に取り組むツナドリーム五島の高橋誠取締役=長崎県五島市
  • クロマグロの幼魚にえさを与えるツナドリーム五島のスタッフら=長崎県五島市
  • 近大マグロの稚魚
  • 近大マグロの中間育成に取り組むツナドリーム五島のスタッフら=長崎県五島市

 クロマグロはデリケートで生態がよく分かっていないため、世界で初めて卵からの完全養殖に成功した「近大マグロ」の量産化のネックは生存率の低さだった。

 稚魚から幼魚にする「中間育成」も生存率2~3%とされるなか、近畿大学と提携する豊田通商の子会社「ツナドリーム五島」(長崎県五島市)は参入2年目で35%を実現した。飼育環境や飼料、輸送法で“カイゼン”を繰り返した結果といい、将来的には50%を目指す。世界のトヨタグループのDNAが持続可能な完全養殖を支えている。(松岡達郎)

 生存率2%からの出発

 「最初からうまくいったわけではない」

 豊田通商の関係者は、こう強調する。

 ツナドリーム五島の生産拠点は、五島市(五島列島)沖に点在する円形枠の鉄製いけすだ。和歌山県内にある近畿大学の施設で産卵、ふ化して体長5~6センチになった稚魚を受け入れ、30センチの幼魚にまで育てる中間育成事業に使われている。ここで育った幼魚がさらに国内の養殖業者に販売された後、2~3年かけて生魚に育てられた上で出荷されていく。

水槽を積んだトラックで運ばれた稚魚のほとんどは五島市に到着したときに死んでいた

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。