■天下り規制強化 OB進路先も様変わり
7月に財務省を退任した木下康司前事務次官が今月末に渡米し、米コロンビア大学の客員研究員に就くことが22日、分かった。予算編成権を握り、「官庁の頂点」といわれる財務省の元トップが海外での研究活動に転じるのは異例だ。かつては「東大卒→官僚→天下り」コースが大物官僚の成功例ともいわれたが、その「第2の人生」は世論の批判を受けて様変わりしてきたようだ。
木下氏は、1979年に大蔵省(現財務省)に入省し、現在の香川俊介事務次官、田中一穂主計局長とは同期。国際局長や主計局長を経て昨年6月、真砂靖事務次官の後任に就任し、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」を予算編成や税制改革面で支えた。
これまで国家公務員OBは、出身官庁が所管する法人や関連企業への再就職が目立ってきた。主な再進路先と指摘された独立行政法人では、2004年に108法人のうち70法人のトップが官僚OB。高給の就職先を転々とする「渡り」まで横行した。とりわけ、大蔵省出身者の進路先は、政府系金融機関や地銀の幹部などが「指定席」とされてきた。