早稲田大生らでつくる投資サークルに所属していた大学OB2人がインターネットの株取引で株価を不正につり上げたとして、証券取引等監視委員会は7日、金融商品取引法違反(相場操縦)の疑いで、デイトレーダーの男性2人を東京地検特捜部に告発した。特捜部は近く2人を立件する見通し。
告発されたのは東京都豊島区の無職男性(35)と、荒川区の会社役員の男性(32)。関係者によると、2人は早大在学時に投資サークル「マネーゲーム愛好会」で活動、現在は株取引で生計を立てているという。
監視委によると、2人は共謀し、平成25年2月15日から8月22日の間、オリエントコーポレーションや神戸製鋼所などの株4銘柄について、約定させる気のない大量の売り注文を出して、安値の売り注文を誘い込んで買い付ける一方、約定させる気のない買い注文を大量に出して買い付けたときより高値を誘い、株価をつり上げた後に売り抜けるなどの手口で、不正に利益を得た疑いが持たれている。少なくとも数百万円の利益を得ていたとみられる。
証券監視委によると、こうした「売り見せ玉」と呼ばれる手口での告発は初めてだという。