夢に見た現場へ…変革者としての挑戦が結実「竹鶴ノート」 「マッサン」と呼ばれた男、竹鶴正孝の夢 (1/2ページ)

2014.11.13 11:19

後継者の威氏とともに原酒をテイスティングする竹鶴政孝氏=余市蒸溜所

後継者の威氏とともに原酒をテイスティングする竹鶴政孝氏=余市蒸溜所【拡大】

  • 現在の余市蒸溜所。「マッサン」効果で平日も見学者が絶えない
  • ジャパニーズウイスキーづくりの“バイブル”となった「竹鶴ノート」。竹鶴氏が自ら撮影した写真や図面も駆使してわかりやすくまとめられている

 「ジャパニーズウイスキーの父」である竹鶴政孝氏がスコットランド留学で完成させた「竹鶴ノート」。日本で初めての本物のウイスキーづくりの土台になった。夫の夢をかなえるため、故郷を離れる決意をしたリタさんに支えられながら、政孝氏の「変革者」としての挑戦は続いた。(産経新聞編集委員 関田伸雄)

 政孝氏が教科書とした「ウイスキー並びに酒精製造法」の著者、ネトルトンに師事を拒否された窮状を救ったのは、ウイスキー製造の現場の人々だった。

 主要都市の一部には、日英同盟(1902年に調印・発効、23年に失効)の影響も残っていたが、スコットランド北部では、東洋人そのものが珍しかった。加えて、ウイスキー製造技術は、密造の伝統もあって、門外不出が原則だった。

 なぜ、ロングモーン・グレンリベット蒸溜所のグラント工場長が実習を許可したのか。政孝氏の著書によると、グラント氏は「ウイスキーづくりの勉強はゴルフと同じで、本を読んだだけ、見ただけでは絶対だめだ。体で覚えるものだ」という主義の持ち主だった。「なんとしても現場で実習を」という政孝氏の熱意と、グラント氏の根っからの「職人気質」が響き合った結果のように思える。

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