【生かせ!知財ビジネス】中国・山東省、海外の実用化研究を支援

2014.11.22 05:00

 「世界の工場」から「世界の研究開発拠点」を視野に入れ始めた中国。山東省が現在準備している新たなグローバル研究拠点モデルが日本の知財業界で話題になり始めている。ターゲットは世界の中小企業だ。

 山東省威海市の「威海研究・開発支援事業」(ウィハイ・インキュベーション・プロジェクト)は、威海市内の33万平方メートルの敷地に延べ床面積約3万平方メートルの工場(研究)棟、約2万平方メートルのオフィス棟、約4万7000平方メートルの住居棟を建築し、未完成技術の実用化、製品化への実証試験や研究・開発を支援する。現在、現地は工業団地を造成中で来春完成する予定だ。

 入居企業の募集をかける先は欧米、台湾・韓国、日本など世界各地の外資だ。企業や個人からなる中国資金支援集団が数十億円を拠出する。数十案件を採択し、一案件で5000万円から2億円を支援する。

 案件は原則、環境・省エネルギー技術分野に限るが、日本側窓口の平野信幸氏は「採択の前提は成果を出資者の事業に活用することの合意。中国内で事業化できると出資者が判断するかどうかがマッチングのポイントになる」。平野氏はLED照明関連技術の開発を行うウィン&ウィン(長崎県佐世保市)の経営者だ。20年以上対中連携実績と信頼があり、中国側から日本側窓口を依頼された。今後、案件探索を開始し、中国側に提案する。

 独自技術の海外展開と実証研究段階での資金不足は日本の中小企業の課題だ。対中知財活用支援の専門集団である国際知財活用促進連盟(IIPP)の小池清仁代表理事は「珍しいスキーム。簡単に言えば、中国側出資による共同研究の呼びかけだ。中国進出を考えている企業、資金不足の企業ともにメリットは多い」と指摘。平野氏は「お宝を眠らせておくことはない。日本で事業化が見込めないのなら中国で活用する途がある」と話す。

 リスクはないのか。当然、脇の甘さは命取りになる。

 「今回の支援は中国内での事業化が前提だ。企業は公的機関のプロジェクトでも油断せず、市場、事業の将来性を見据え、中国の制度や文化まで熟知した上で、しっかりした契約を当初から結ぶ必要がある。契約履行の監視や訴訟の態勢も考えること。できれば日本側に国際知財活用や投資に関する公的支援制度がほしい」と小池氏は助言する。(知財情報&戦略システム 中岡浩)

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