こうした悪意の商標出願は「悩ましい問題」(青木課長)として対応策が求められていた。中国では出願した商標で自社製品を販売したり、商標を転売するなどの悪用例が目立つ。日本企業が特産品を中国で売る際に支障をきたすケースも出ており、タオル産地の愛媛県今治市では、地元団体が中国での商標出願を「すでに出願されている」として拒否されたという。
ただ主要国で制度面での協調が進んでいる特許権と違い、商標権は各国が独自の制度を整備している。外国で著名な名称であれば出願を制限できる日本などに対し、中国では制約がなく実効的な対処が難しい。悪意の商標出願をはじめとする商標制度上の課題への対応状況などについて報告書がまとめられたほか、意匠権も5カ国の定例会議を設けることで合意した。