【生かせ!知財ビジネス】オープン・クローズ戦略時代の到来 (1/2ページ)

2015.1.24 05:00

家電見本市CESの記者説明会に登場したトヨタの燃料電池車「MIRAI(ミライ)」=5日、米ラスベガス(ブルームバーグ)

家電見本市CESの記者説明会に登場したトヨタの燃料電池車「MIRAI(ミライ)」=5日、米ラスベガス(ブルームバーグ)【拡大】

 トヨタ自動車による燃料電池車(FCV)に関する5680件の特許開放は、知財の世界で言う「オープン・クローズ戦略」(OC戦略)を経営戦略の柱に加えたという宣言だ。日本にも、ついに本格的な知財戦略時代が到来したといえる。

 FCVは関連する産業の裾野が広い。自動車だけでなく素材やエネルギーなど多様な産業、社会がグローバルに恩恵を受けられるイノベーション分野だ。水素と酸素からつくった電気を効率的に利用し、温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)を排出しない。蓄電池を使う電気自動車(EV)の充電時間よりも燃料補給時間や航続距離などの面で優位性があるといわれる。

 トヨタはFCVの開発を1992年に開始した。発電装置である燃料電池システムや燃料の水素ガスを蓄える高圧水素タンク、水素ステーションの畜圧タンクシステムなどの技術とこれらに使用される材料や加工の技術などが必要で、特許とノウハウを含めた膨大な知的資産を形成してきた。他社も同じ時期に研究を開始したが、FCVに関連する国際特許分類「H01M」分野の特許出願件数では2003~06年頃を境に差が出始めている。

 1990年代に欧米で広がったオープンイノベーションは外部開発資産を取り込む手法と日本では認識されてきたが、自社の優位性を獲得するため自社開発資産を外部へ提供する手法も含まれる。この組み合わせがOC戦略だ。この点トヨタの知財管理は、オープン化して業界標準化や国際機関などで規格化する部分とクローズ化して他社との差別化に使う部分を複合した戦略を実施してきたとされる。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。