【論風】多極化する世界と日本 信州大学教授・真壁昭夫 (1/3ページ)

2015.5.21 05:00

 ■発展の鍵握る“したたかさ”

 最近の世界情勢を俯瞰(ふかん)すると、従来の米国一極体制から多極化に進んでいることがよく分かる。今まで圧倒的だった米国の政治・経済的なパワーが低下する一方、中国などの新興国や欧州諸国などの相対的な実力が高まり、存在感も顕在化している。まさに世界の中に極がいくつも存在する多極化へと向かっているといえる。

 ◆英国の決断

 中国が主導して創設される予定のアジアインフラ投資銀行(AIIB)には、アジア諸国や欧州諸国など57カ国が参加を表明している。特に注目されるのは、米国の最も親密な同盟国である英国が、当初の予想を覆して参加を宣言したことだ。英国の参加をきっかけに、ドイツやフランス、イタリアなどの主要先進国が雪崩を打って中国陣営にはせ参じた格好だ。また、4月中旬にワシントンで開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の場で、新興国などから国際通貨基金(IMF)の改革の遅れに不満が表明された。不満の背景には、米国が主導してきたIMFなど国際金融機関の中で、新興国の発言が反映されにくかった事情がある。そうした動きの底流に流れる要素は「米国主導型の従来のシステムを、新しい世界の枠組みに変革すべきだ」との要請がある。そのインパクトは、既に無視することのできないレベルにまで拡大している。世界の情勢は、20世紀型の米国一極体制から、21世紀型の多極化の構図に移行しているといえる。

 第二次世界大戦後、わが国は、安全保障上の問題もあり米国と親密な関係を維持してきた。基本的には、米国の強大な軍事力の傘の下で経済を成長させることに専心することができた。その結果、1960年代半ば以降、「20世紀の奇跡」と称されるほどの高い経済成長を達成することができた。

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