口永良部島の爆発的噴火を受け、気象庁は29日午前11時半すぎから記者会見を開き、今回の噴火は、比較的規模の小さい水蒸気噴火ではない可能性があると指摘した上で、北川貞之・火山課長は「今後も同規模の噴火が発生する恐れがある」と説明した。
気象庁によると、29日午前9時59分に爆発的噴火が発生。火砕流が新岳の南西側から北西側にかけての海岸まで達したという。噴煙は火口縁上から9千メートル以上まで上がり、火口周辺に噴石が飛散したという。爆発的噴火は5、6分続いたとしている。
北川課長は「今後も爆発力が強い噴火や規模の大きな噴火が発生する可能性がある」などと説明。火砕流の到達が予想される居住地域では厳重な警戒をし、住民に自治体などの避難指示に従うように促した。
火砕流は、3月ごろから派遣する気象庁の機動観測班が向江浜地区と前田地区の間に到達しているのを確認したという。東側については未確認だとしている。
口永良部島では26日に震度3の地震が発生し、火山性微動も少ないながらもあったという。ただ、北川課長は「直前に(爆発的噴火を予想させる)何かが急激に高まったということはなかった」としている。