「福島第１原発の廃炉支援強化」　日本原電の村松社長

　６月３０日付で就任した日本原子力発電の村松衛（まもる）社長が１０日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、筆頭株主である東京電力の福島第１原発の廃炉支援を強化する考えを示した。今月、約１００人に達した派遣人数をさらに上積みする。また、来春の電力小売り全面自由化に備えて収益力を強化するため、ほかの原発の廃炉支援や、米国の事業者と提携した発電事業の海外展開を進める考えも強調した。

　日本原電は国内商業用原発として初めて、２００１年から東海原発の廃炉を進めてきたノウハウを持つ。村松社長は「福島第１の安全なしに原子力の信頼確保はない」と強調。自社の原発の安全維持に支障がないかなどを考えながら、支援のための人材をさらに選んでいくとした。また、収益力を高めるため、東電以外の原発の廃炉支援も進める。行政手続きのコンサルティングや、放射性のレベルに応じた廃棄物選別のコンサルティング、請負などを検討する。

　発電事業の海外展開にあたっては、信用力を高めるため「世界標準となっている米国の規制基準のもと運営している、米国の事業者との提携」を進める。１７年度末までに予定通り持ち株会社へ移行した後は傘下の事業会社と、ほかの電力関連事業者との提携も積極的に拡大する。