仮想通貨「ビットコイン(BTC)」の取引所「マウントゴックス」(東京)でBTCが消失し、口座を不正操作したとして同社最高経営責任者(CEO)のマルク・カルプレス容疑者(30)が逮捕(私電磁的記録不正作出・同供用容疑)された事件で、顧客からの預かり金計約3億2100万円を流用した疑いが強まったとして、警視庁捜査2課が業務上横領容疑で再逮捕する方針を固めたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。21日にも再逮捕する。
捜査関係者によると、カルプレス容疑者は平成25年10月、顧客からの預かり金を管理していたマウント社の銀行口座から、計約3億2100万円を外部に送金し、着服した疑いが持たれている。
このうち約3億1500万円は、カルプレス容疑者が設立した別会社「シェイド3D」で使用を予定していた都内のソフト関連会社からの立体CGソフトの開発・販売権などの購入に使われ、約600万円は自宅用の天蓋付き高級ベッドの購入に充てられていた。
カルプレス容疑者はマウント社設立当初からマウント社内のBTCや現金の残高を水増しする不正操作を繰り返し、管理していたBTCの大半を消失。穴埋めのために高騰したレートでBTCを購入するなどして現金も消失し、マウント社は債務超過に陥っていた。
マウント社は自己資金も顧客からの預かり金も同じ銀行口座で管理。この口座から同年以降、自己資金の数倍の計約11億円が関連会社などに送金されていた。