和歌山県太地町で11日、9月1日に解禁されたイルカや小型クジラの追い込み漁が行われた。今季は天候不順などで漁が遅れていたが、ハナゴンドウクジラ十数頭を捕獲し、初の水揚げとなった。同町の畠(はたけ)尻(じり)湾では、反捕鯨団体とみられる外国人がカメラで撮影するなどしたが、大きなトラブルはなかった。
太地町漁協によると、9月の漁で捕獲するのは水族館などでの飼育用イルカが主だが、今回は食用のクジラを捕獲した。漁船12隻が太地沖約18キロで群れを発見し、音に敏感なクジラなどの習性を利用して、漁師が鉄パイプをカンカンたたきながら湾内に追い込んだ。
日本動物園水族館協会(JAZA)は5月から、加盟施設に対し、追い込み漁で捕獲したイルカの入手を禁止している。入手を継続する意向の同町立くじらの博物館は、JAZAを脱退した。