中国の建国記念日にあたる国慶節の大型連休中の2日、静岡市清水区の清水港に中国人観光客約2千人を乗せた大型クルーズ船が入港した。中国発着のクルーズ船が清水港に入るのは初めて。県の25年にわたる誘致活動が実った格好だが、大型バスの通行に向かない静岡市の中心市街地の交通事情や中国人観光客のマナーの問題など、みえてきた課題も少なくない。
クルーズ船の乗客はバス約50台に分乗して観光と買い物に繰り出した。このうち同市葵区の松坂屋静岡店では、バス11台で乗り付けた約450人を受け入れた。
これだけ多くの中国人を一度に受け入れるのは初めてだけに、同店ではアルバイトの中国語通訳24人を雇い、免税カウンターを2カ所増設。中国で広く普及している銀聯(ぎんれん)カード対応のレジも6台増やすなど準備を整えた。
家庭用品売り場で接客した藤沢美歩さん(42)は、「(中国人観光客から)値段のことは全く聞かれなかった」と、“爆買い”ツアーの豪快な買い物ぶりに驚く。宝飾品売り場で真珠のネックレスを購入した中国人男性が取り出したレシートには約10万円の記載が。男性は「旅行の予算は決めていないけど、カードで引き落とすので大丈夫」と言い切った。