【H2A打ち上げ】国産ロケット、ビジネス拡大に弾み 

2015.11.24 21:37

 H2Aロケットは商業衛星の打ち上げに初めて成功し、海外勢に大きく水を開けられている商業打ち上げ市場でようやく存在感を示した。改良型の機体が実を結び、三菱重工業は受注拡大に弾みがつきそうだ。

 今回の打ち上げを発注したカナダのテレサット社は、通信や放送向けの衛星回線を提供する事業で世界4位。三菱重工業の二村幸基執行役員フェローは「H2Aの認知度が上がり、事業の可能性が広がる」と期待を寄せる。

 過去3年間の世界の静止衛星の商業打ち上げ回数は、ロシアの主力機プロトンが全体の約4割を占め、衛星の軌道投入に有利な赤道付近に発射場を持つ欧州の大型機アリアン5が約3割。米国の民間機ファルコン9も近年、低価格を武器に台頭している。

 H2Aは赤道から離れた種子島に発射場があるため静止衛星の打ち上げには不利で、受注競争で苦戦してきた。この弱点を克服するため宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発したのが改良型だ。

 従来は2段エンジンを2回噴射して高度300キロ付近で衛星を分離していたが、噴射を3回に増加。高度約3万6千キロの静止軌道の近くまで運び、衛星が少ない燃料消費で軌道に到達できるようにした。顧客にとって衛星の運用期間が数年延びる利点があり、今回の受注獲得につながった。

 H2Aは改良型の成功でアリアン5に引けを取らない性能を実証したが、搭載可能な静止衛星は市場全体の半数程度にとどまる。割高な費用などの課題も残っており、本格的なビジネス展開はコスト半減を目指す次世代機H3が登場する平成32年度以降。米露の打ち上げ失敗が相次ぐ中、着実に成功を重ねて信頼性を世界に示していく必要がある。(草下健夫)

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