【寄稿】台湾の貢献で温室効果ガス排出削減を (1/3ページ)

2015.11.28 05:00

 □台湾・行政院環境保護署長 魏国彦氏

 1970年代に発表されたイギリスの科学者、ジェームズ・ラブロック博士の「ガイア仮説」によると、地球は自己調節し、適応能力がある生物母体であり、人類はその生物体の細胞または器官だという。母体が持続可能で安泰でいるためには、これらの「人類細胞」がうまく機能しているかを見るべきであり、異変があれば致命的な「がん細胞」になってしまうと指摘している。

 ◆低炭素社会発展導く

 地球村の一員として、台湾は長期にわたり真摯(しんし)かつ積極的に地球という母体の維持・保護に努めてきた。最近ではさらに気候変動に関する立法を通じて長期的な温室効果ガス排出量削減の法定目標を組み入れ、世界の人々と共に温室効果ガス削減の義務を分担することを願い、地球の生態環境を守っていく決意を示している。この取り組みは、すでに欧米などの先進国からも評価されている。

 気候変動に対応するために長期的に取り組むための法的基盤を整え、さらに世界が共に温室効果ガス削減に取り組む呼びかけに応え、台湾がこの問題に対応するために必要な政策および資源の投入の道を開き、台湾の経済転換を切り開き、低炭素社会の発展の契機へと導くために、台湾では2015年7月1日に「温室効果ガス削減及び管理法」を公布、施行した。

 同法は政府に気候変動の対策を立てる権限を明確に付与するもので、台湾が温室効果ガス緩和と適応政策を推進するための法的基盤となった。

 この中で、台湾の温室効果ガス排出量の長期的削減目標の策定、中央省庁と地方自治体の役割分担の確立、実務的な5年1期の段階的コントロール目標の策定、ならびに基金を準備するための法的基盤を提供することなどは、いずれも台湾の気候変動対応能力を向上させ、台湾の低炭素社会のビジョンを切り開くものだ。台湾が世界各国と共に低炭素社会を実現する義務を負うことは科学市民の責務であり、そのためによりよい条件を提供していく所存である。

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