【衝撃事件の核心】
11月3日未明、大阪府岸和田市の国道26号。バイクや改造車に乗った200~300人の少年らが、今年もわが物顔で公道を走り回った。開催月日にちなみ、定着した名称は「イレブンスリー」。約3千人の若者が見学する中、ナンバープレートを折り曲げたバイクがけたたましいエンジン音を響かせ、制止しようとした警察官を挑発するなど、まさに「ルール無用」の集団暴走を繰り広げた。全国的に暴走族が激減する中、拡大の動きを見せるイレブンスリーだが、発祥や由来は当の本人たちさえよく分かっていないという。周囲に迷惑をまき散らし、エネルギーを発散する若者たち。消えゆく暴走族の“断末魔”なのか。(大森貴弘)
爆音…周辺店は臨時休業
「お前ら、ええ加減にせぇよ!」
夜空に怒声を響かせながら、制服姿の警察官が暴れる金髪の若者を取り押さえた。周囲を取り巻く若者が、すかさず「おい、やめろや!」と割って入る。辺りには殺気立った空気が充満している。勢いに押されるように、警察官はその場に倒れ込み、人波にのみ込まれていった。