【血液製剤不正製造】化血研、「寡占」おごり招く 苦渋の処分、ワクチン不足に懸念も (1/3ページ)

2016.1.8 23:41

国の承認と異なる方法で血液製剤などを製造していた問題で、業務停止命令の行政処分の文書を受け取る化学及血清療法研究所(化血研)の宮本誠二理事長(左)=8日午後、東京都千代田区の厚労省(伴龍二撮影)

国の承認と異なる方法で血液製剤などを製造していた問題で、業務停止命令の行政処分の文書を受け取る化学及血清療法研究所(化血研)の宮本誠二理事長(左)=8日午後、東京都千代田区の厚労省(伴龍二撮影)【拡大】

 血液製剤やワクチンの国内メーカー「化学及血清療法研究所」(化血研、熊本市)が国の承認と異なる方法で血液製剤などを製造していた問題で、厚生労働省は8日、過去最長の業務停止という厳罰処分に踏み切った。一連の不正では、国と製薬会社の使命であるはずの安全確保と安定供給への不安が露呈したが、不正の一因となった業界の寡占解消策は見えない。血液製剤やワクチン不足への懸念も広がりを見せる。

「落とし前を」

 「処分を厳粛に受け止めている。医薬品企業としてあるべきことではないことをした」

 化血研の宮本誠二理事長は8日、業務停止命令を受け、厚労省内で記者団にこう話した。

 医薬品医療機器法(旧薬事法)上の行政処分は(1)製造販売許可の取り消し(2)業務停止命令(3)業務改善命令-がある。副作用などの健康被害を伴わない違反は業務改善命令が相場とされるが、今回の処分は「許可取り消し」に次いで重いものだ。厚労省内には「許可自体を取り消すべき事案」とする意見もあったが、国民の生命に直結する製品もあり、苦渋の決断に至った。ただ、塩崎恭久厚労相は8日、「会社組織を守ることは二の次。今のままの組織での販売継続を前提とせず、抜本的な見直しを要請する」と厳しく非難。同省幹部も「“落とし前”は今後、化血研自身にも考えてもらう」と話しており、事業譲渡や経営統合なども含めた検討を迫る方針だ。

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