続くイタチごっこ
府警によると、27年1~11月に発生した府内の特殊詐欺の被害件数は1060件で、過去最多だった平成25年(1110件)を上回るペースで推移している。このうち119件が、名義貸しのトラブル解決金名目による被害だった。
こうした名義貸し詐欺の被害総額は、27年(1~11月)の特殊詐欺全体(計約36億6千万円)の半分近い約16億9千万円。言われるままに宅配便で現金を送り続け、1人で2億円以上をだまし取られたケースも2件あった。
府警幹部は「『罪を犯してしまった』と被害者に思い込ませて周囲に相談しづらい状況をつくることで発覚が遅れ、被害が高額になる傾向にある」と指摘する。こうした手口の26年の被害件数は24件、被害総額は約4億7千万円だったことから、27年は一気に3・5倍以上も急増したことになる。
名義貸し詐欺が特殊詐欺の「最新トレンド」になっている
といえる。