【飛び立つミャンマー】根本敬・上智大学教授の「ビルマ考現学」(10) (1/3ページ)

2016.1.15 05:00

ミャンマー総選挙で勝利した国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー氏(中央)。官僚制の改革が新政権の主要課題の一つだ=2015年11月、ヤンゴン(ブルームバーグ)

ミャンマー総選挙で勝利した国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー氏(中央)。官僚制の改革が新政権の主要課題の一つだ=2015年11月、ヤンゴン(ブルームバーグ)【拡大】

 ■軍の影響で変容した官僚制度

 総選挙が終わり、3月の新政権発足に向けて準備が進むミャンマーだが、新しい政府が直面する重要な課題はいくつもある。官僚制度の改革は間違いなくその一つだろう。圧勝した国民民主連盟(NLD)の選挙公約にも、増えすぎた省庁の統廃合を軸とする行政改革が大きく掲げられていた。

 しかし、確信を持って言うが、この国の官僚制度は無駄な省庁の統廃合程度ではけっして改革されることはない。官僚自身のモラルの向上と、1962年以降、軍によってさまざまにねじ曲げられてきた官僚制度そのものを抜本的に変革しないと、この国の官僚制に未来はない。

 ◆英国から導入

 以前にも紹介したが、NLD党首のアウン・サン・スー・チー氏は、かつて民衆への演説で、「日本の官僚は前例があれば必ず動くが、ミャンマーの官僚は前例があろうがなかろうが、軍の圧力がないと動かない」という趣旨のことを語ったことがある。日本では「悪(あ)しき前例主義」としてとらえられがちな官僚の特徴も、ミャンマーでは「模範」とされる。なぜこうなってしまったのか。

 この国に近代的な官僚制度が本格的に導入されたのは、英国植民地期(1886~1948年)のことである。英国は、隣国インドでつくりあげたインド高等文官(ICS)の制度を、ミャンマー(英領インド帝国ビルマ州)にも導入した。

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