【イラン制裁解除】日本、出遅れ取り戻せるか 石油開発など期待も、経済性不安で足取り重く

2016.1.22 22:24

 政府が22日、石油・ガス分野の新規投資などを停止した対イラン制裁を解除したことで、国内企業のイラン市場参入が本格化する。ただ中東最大級の巨大市場を持つイランへは、欧州諸国や中国がすでに市場獲得へ動き出しており、日本は出遅れ感が否めない。原油安で資源開発の採算性が悪化するなか、国内企業からは思い切った投資をためらう声も上がっている。

 日本貿易会の小林栄三会長(伊藤忠商事会長)は同日、「イランは日本にとって良好なビジネスパートナーとなりうる極めて重要な国だ」との談話を発表し、イランへの経済制裁解除を歓迎した。

 約8千万人の人口を抱えるイランは、自動車をはじめとする日本製品の需要が高い。スズキの鈴木俊宏社長は「大きな市場なのでしっかり販売したい」と生産・販売の再開を表明するなど、新たな商機に期待が高まっている。

 だが、日本企業による投資環境の整備は出遅れている。ドイツ、フランスなど欧州勢や中国は、イランとの間で企業の投資財産の保護や規制の透明性向上などを規定した「投資協定」を結んだ。中国の習近平国家主席が23日にイランで会談するほか、来月以降も欧州の閣僚らがイランを訪問すると報じられており、関係強化は待ったなしだ。

 日本も昨年10月に投資協定締結で実質合意したが、署名手続きは近日中としている状態だ。また、急速な原油安で資源開発の採算性は悪化している。石油元売り最大手JXホールディングスの木村康会長は「大きなチャンスだが(投資環境は)大変厳しい。即座に行動を起こす状況ではない」と慎重な見方を示す。

 貿易保険による投資リスクの軽減に加え、政府系金融機関の投融資や円借款など、企業の投資拡大には政府の積極的な後押しが必要になりそうだ。(田辺裕晶)

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