経済産業省は4月にも、サービス業の品質を評価する制度「おもてなし規格認証(仮称)」を立ち上げる。25日の有識者検討会では、接客対応や従業員の育成などから事業者を3段階に区分けする制度案を提示。質の高いサービスを消費者が評価しやすい仕組みを作ることで、産業の活性化を図る狙いがある。
制度案では、業界に先駆け世界に通用するモデル事業者を「A」▽他企業と差別化を図り顧客を満足させられる事業者を「B」▽顧客の期待に応える基本的な体制を整えた事業者を「C」-と設定。第三者機関の審査などを経て企業に認証マークを交付し、宣伝に使うことができる。
例えばAランクの場合、顧客の意見を取り入れてサービスを開発する専門部署の設置や、独自のITシステムを導入して顧客データの収集・分析、需要予測を行うなど、複数のチェック項目で少なくとも7割程度満たす必要がある。全国のサービス業者のうち数十~数百社程度が対象となる。
サービス業の品質は目に見えにくく、質に見合った対価を取りづらいことから安値競争に陥って生産性が低下している、と経産省は分析する。平成32年ごろに名目国内総生産(GDP)を600兆円に引き上げる政府目標の実現に向け、「質の高いサービスには相応の対価」(幹部)が得られるよう消費者に働きかける。また、日本のおもてなしを一層アピールし、訪日外国人の増加にもつなげたい考えだ。