中国人の男女と偽装結婚していた日本人の夫婦。1歳児と保育園児2人を抱える「普通の家族」として周囲から認識されていた。困窮を極めた末、中国人女ブローカーの甘言にはまってしまったのか…【拡大】
愛する伴侶(はんりょ)と人生をともに歩む「証し」を犠牲にして得たのは、わずか28万円-。離婚して中国籍の男女と再婚したとする虚偽の婚姻届を役所に提出したとして、30代の日本人夫婦が1月中旬、電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで大阪府警に逮捕された。幼い子供を抱えて金銭的に逼迫(ひっぱく)し、中国籍の女ブローカーに誘われて目先の生活費欲しさに手を染めたとみられる。訪日外国人の急増に伴い、中長期的に滞在する外国人も増える中、長期の在留資格を得たい外国人がブローカーに金銭を支払う「偽装結婚」は、憂慮される犯罪の一つだ。大がかりな国際犯罪の「インフラ」となる可能性もはらんでおり、警察当局は警戒を強めている。
傍目には「普通の家族」…“離婚”後も同居
「小さいお子さんを連れて仲良く出かけていく姿を何度も見かけた。別々に再婚していたなんて…」
大阪市平野区の住宅街の一角にある築26年の小さなアパート。この一室で暮らしていた31歳の夫と35歳の妻がいずれも偽装結婚していたことを知った近くに住む70代の主婦は、驚きを隠せなかった。