したがって、やはり基本はCO2の人為的排出を抑えることであり、それには現在の人類のエネルギーの8割以上を占める化石燃料をできるだけ非炭素燃料に置き換えていくことが柱の方策になる。安倍首相が温暖化への対応に革新的技術を、と唱えているが、まさにゼロエミッションの実現に向けての革新技術の開発こそが今後必要だ。その推進こそパリ協定に応える真の道ではないか。
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【プロフィル】茅陽一
かや・よういち 東大工卒、同大学院修了。東大電気工学科教授、慶大教授を経て、1998年地球環境産業技術研究機構副理事長、2011年から現職。80歳。北海道出身。